血液回路治療

血管透析経路は維持性血液透析患者の生命線であり,現在まで自家動静脈内ヘルニア(arterio-venous fistula,AVF)は透析患者にとって理想的な血管経路である。

透析の存続期間の延長、糖尿病性腎症の増加、患者の高齢化に伴い、維持性血液透析患者は内腸狭窄、機能喪失により入院を必要とする患者が30%と高く、その中でもAVF狭窄、閉塞が最も一般的であり、AVFを保護し、内腸経路狭窄、閉塞の発生を減少させることは、患者の生存と生活の質を維持する重要な要因であり、介入治療技術もこの分野の重要な保護措置となっている。 内腸狭窄部の血管の嚢胞拡張により,内腸の血流量を回復し,透析の効率的な進行を保証することができる。

血液透析は血液回路、透析モニター、ダイアライザーの3つのコンポーネントに分解するとわかりやすい。まず血液透析は拡散と限外濾過によって尿毒物質の除去を行うものである。血液透析の成績を左右する因子として、週に何回行うという透析回数、1回あたりにかける透析時間、用いる透析器械、ダイアライザーの種類、用いる抗凝固薬といったものがあげられる。

バスキュラーアクセス(ブラッドアクセス)として内シャントから血液ポンプを介して一分間に数百ミリリットルの流量で血液を取り出し、ダイアライザーへ送り込む。血液の体外への循環中に血液が凝固することを防ぐ目的で、抗凝固薬を持続注入する。抗凝固薬にはヘパリンのほか、低分子ヘパリン、メシル酸ナファモスタット、アルガトロバンなどが用いられることがある。血液浄化を行う上で、短時間透析を行うのは生体の構造上不可能であるといわれている。血液透析は細胞外液のうちの血液を用いて体内の尿毒物質を排除するという治療法である。あまりに短時間の透析をしてしまうと細胞内液や間質液に含まれている物質が血液に移行する前に透析が完了してしまい、透析不十分になる可能性が高い。透析時間と予後については知られた関係であり、長い方が良いとされる。